海馬が大きい人の特徴を調べればあなたの記憶力や性格の悩みのヒントがきっと見つかります。
「もの忘れが増えてきた」
「集中力が続かない」
なんて悩み、正直わたしもけっこう抱えていて今回めちゃくちゃ気になって深く掘ってみたんです。
結論から言うと、思っていたよりずっと複雑でなんか一筋縄じゃいかない話だなというのが率直な感想でした。
海馬ってそもそも何?
海馬というのは記憶と学習を担っている脳の部位で大きさが記憶力や認知機能と結びついていると言われています。
位置と形、意外と小さいんです
海馬は大脳の側頭葉の深いところに、左右対になって存在しています。
タツノオトシゴみたいな形をしていて、それぞれ小指くらいの大きさしかないらしいです。
正直このサイズ感、調べてみるまで全然知らなかったです。あんなに重要な役割を持っているのに、こんなに小さいの?という驚きがまず最初にありました。
記憶の一時保存庫という役割
まず海馬にいったん保存されて、そこから使う頻度の高い情報だけが大脳皮質に移されて長期記憶として定着していくらしいです。
要するに、海馬は記憶の橋渡し役みたいな存在なんですね。ここまでは基本情報です。
海馬の体積と記憶力って本当に比例するの?
海馬の体積と記憶力、認知機能には相関関係があると言われていますが、これって「絶対的な保証」ではないみたいです。
相関はあるけど因果関係とは違う
研究では記憶力が高い人ほど海馬の体積が大きい傾向にあると報告されています。
ただ、ここで気になったのが「相関」と「因果」の違いなんですよね。
海馬が大きいから記憶力が良くなるのか、それとも記憶力を使う生活をしてきたから海馬が大きくなったのか、どっちが先なのかはっきりしない部分があるっぽいです。
個人的にはこの順序、実は逆かもしれないと思っています。使った結果として大きくなるという説の方が個人的には筋が通っている気がします。
脳全体のサイズと知能はあまり関係ない
ちょっと余談ですが、脳全体のサイズと知能について調べたオーストリアの研究では、脳のサイズとIQには強い関連があるものの、それは「わずか」なものにすぎないという結果が出ています。
むしろ知能に重要なのは脳の構造や統合性の方らしいです。
巨大脳髄症の人の脳は異常なほど大きく成長しますが、IQテストの成績は平均を下回ることが多いというのも、地味に興味を惹かれた話でした。
ただ、海馬が小さいと将来的な認知への影響のリスクが高まるかもしれないという指摘もあったので、海馬に限って言えば話は少し変わってくるみたいです。

タクシー運転手の海馬が大きい話、これ結構有名です
ロンドンのタクシー運転手は一般の人より海馬が大きいという研究、聞いたことある人も多いんじゃないでしょうか。
なぜタクシー運転手の海馬が育つのか
複雑な道路網や時間帯ごとの交通の流れといった、膨大な空間情報を処理し続ける経験が海馬の発達に関わっていると言われています。
つまり海馬は使えば育つ可塑性が高い部位だということですね。
この事例、初めて知ったとき「へえ、脳って生きてる間に変わるんだ」とちょっと感動しました。


現代人はこの経験、減っているかもしれない
ここで自分の考察をひとつ挟みたいんですが、カーナビやスマホの地図アプリが普及した今、こういう「空間情報を頭の中で処理する経験」自体が減っているんじゃないかなと思うんです。
あくまで仮説なんですけど、もしかしたら現代人の海馬は昔の人よりも空間記憶の面では鍛えられにくい環境にあるのかもしれません。細かく検証したわけじゃないので、これはわたしの予想の域を出ないんですけどね。
海馬が大きい人と性格、実は複雑な関係があるみたいです
海馬の大きさと性格の関連についても調べてみたんですがこれがなかなか面白かったです。
チンパンジーの研究で見えてきたこと
ジョージア州立大学の研究チームが191匹のチンパンジーの脳画像とパーソナリティ評価を調べたところ、海馬の体積が大きい個体ほど「アルファ行動」、つまり支配的で挑発的な行動傾向が強く、自己抑制の機能が低い傾向が見られたそうです。
研究者は「海馬の灰白質が多いチンパンジーほど、より衝動的で抑制が効きにくかった」
とコメントしています。えっ、海馬が大きいと逆に衝動的になるの?って、正直これはかなり意外でした。

人間にも当てはまるかはまだよくわかっていない
ただこれ、チンパンジーの研究なので人間にそのまま当てはめられるかは別の話です。
実際、人間を対象にした別の研究では、扁桃体や海馬の構造と社会情動的なパーソナリティ特性の関連について、十分な検出力を持つ研究がまだ限られていて明確な関連は見つからなかったという報告もあります。
なので「海馬が大きい人は衝動的」と断定するのは正直まだ早い気がします。
あくまで動物実験のひとつの結果として捉えるのが妥当かなと思っています。
自尊心との関連を示すデータも
一方で、474人の中年男性の双子を対象にした研究では自尊心と海馬の体積のあいだにわずかながら正の相関が見られたそうです(左海馬でP=0.03、右海馬でP=0.04)。
相関自体はそんなに強くないんですけど、「自尊心が高い人ほど海馬がちょっと大きい傾向にある」というのは、なんとなく納得できる部分もあります。
ちなみにこの研究では幸福感との相関ははっきりしなかったらしいです。
参考:A multivariate twin study of hippocampal volume, self-esteem and well-being in middle-aged men
海馬が大きくても忘れっぽい人がいるという逆説
ここ、今回いちばん「なるほど」となったポイントです。
海馬が大きいことと、日常的に忘れ物をしないことは必ずしも一致しないみたいなんです。
堀江貴文さんの事例が面白い
東北大学加齢医学研究所が監修する海馬測定サービスを受けた実業家の堀江貴文さんは、運動も睡眠もしっかりしていて、海馬に良いとされる生活習慣をほぼ満たしていたのに、海馬の体積は同年代・同性のなかで標準の下限だったそうです。
堀江さん自身、子どもの頃からかなり忘れっぽく、スマホと財布以外は持たない、人の名前や顔を最初から覚えないなど、独自の忘れ物対策をしてきたと語っています。

なぜ生活習慣が良くても海馬が小さいことがあるのか
この結果について担当の瀧靖之教授は、堀江さんの海馬がもともと小さいのか、それとも過去に萎縮が進んだのかは判断がつかないとコメントしています。
生まれつきの海馬の大きさには個人差があって良い生活習慣は萎縮を抑える効果はあっても、体積そのものを平均以上に引き上げるとは限らないというのが実情のようです。
正直これ、けっこう救われる話だなと思いました。
だって、生活習慣を頑張ってるのに海馬が標準以下だったらなんかショックじゃないですか。でも「もともとの個人差だから」って言われると少し気が楽になる気がします。
遺伝の影響が思っていたより大きいかもしれません
海馬の大きさには生活習慣だけじゃなく遺伝的な要因もかなり関わっているようです。
BDNF遺伝子のタイプによる違い
BDNF遺伝子がGG型の場合、海馬が大きい傾向があると報告されています。
BDNFというのは脳由来神経栄養因子のことで有酸素運動をすると血中濃度が上昇して、海馬の神経新生を促すことがわかっているタンパク質です。
つまり運動の効果ももとの遺伝子タイプによって出方が違うのかもしれない、というのは考察としてありえそうな話です。
世界最大規模の脳画像研究からわかったこと
クイーンズランド医学研究所が21,000人規模のデータをもとに行った世界最大級の脳研究では海馬の萎縮する速度に影響を与える遺伝子が見つかったそうです。
脳のサイズは思考パターンや行動、知能にもある程度影響を与えるものの、その影響はやはり限定的だという結論だったみたいです。
高齢期になると海馬の役割が変わるかもしれない
若いうちと高齢になったあとで、海馬の働き方自体が変わる可能性があるみたいなんです。
認知機能が下がると海馬が補償役になる
2025年に発表された研究によると高齢者で認知機能が低下している場合、海馬がワーキングメモリーの機能を補う役割を果たしている可能性があるそうです。
特に軽度認知障害を持つ高齢者において、海馬の体積とワーキングメモリーのパフォーマンスの間に、より強い関連が見られたとのことです。
通常、ワーキングメモリーは前頭頭頂ネットワークが中心になって処理するものらしいんですが機能が低下した高齢者では、海馬がそのネットワークを補完している可能性があるみたいです。

これって加齢に対する脳の適応なのかも
ここは完全にわたしの考察なんですがこれって脳が加齢に対して柔軟に役割分担を変えていく、一種の適応反応なんじゃないかなと思っています。
海馬が小さくなりがちな高齢期に、むしろ海馬が頑張って別の機能を補おうとしている、というのはちょっと感動的な話だなと個人的には感じました。
まあ、あくまで自分の見立てなのでこういう仮説として受け止めてもらえたらと思います。
自分の海馬の状態、知りたくなりませんか
ここまで読んで自分の海馬って大きいのか小さいのか、気になってきた人もいるんじゃないでしょうか。
MRIで海馬の体積を測るサービスがある
「ブレインスイート」というサービスでは東北大学加齢医学研究所が開発したAI画像解析技術を使って、頭部MRI画像から海馬の体積を精密に測定できます。
20代から80代までの約3,300例の健常者データベースをもとに、同性・同年齢の人と比較した萎縮傾向まで確認できるみたいです。
単独検査は16,500円(税込)で通常の脳ドックが2万から10万円ほどかかることを考えると、思ったより手が出やすい価格だなという印象でした。
海馬は小さすぎて目視では見えにくい
海馬は小指程度の大きさしかないので、通常のMRIと医師の目視確認だけでは、微細な萎縮を見分けるのが難しいそうです。
なので脳ドックで「異常なし」って言われても、海馬の萎縮自体が進んでいないかまではわからないケースがあるみたいです。
これ、けっこう知られていない事実だなと思いました。
海馬を育てるためにできることまとめてみます
海馬は神経細胞が新しく生まれ変わる珍しい脳部位で何歳からでも育てることが可能だと言われています。
運動、睡眠、会話、好奇心の4本柱
有酸素運動によるBDNFの増加と十分な睡眠時間の確保は、海馬の神経新生を促す基本の習慣です。
実際、東北大学の瀧靖之教授らの研究では、平日の睡眠時間が長い子どもほど海馬の体積が大きい傾向にあることが示されています。
それに加えて、積極的にコミュニケーションを取ることも、何歳になっても海馬や前頭葉を活性化させると言われています。
強い好奇心を持って新しいことに取り組む姿勢もストレスの軽減や脳の可塑性の向上につながって、海馬の萎縮を抑える効果が期待されているそうです。
結局、大切なのは「今の海馬」への向き合い方
海馬が大きい人の特徴を調べれば調べるほど思ったのは「大きい人の特徴を真似すればいい」という単純な話じゃないなということでした。
生まれつきの個人差もあるし、遺伝的な影響も大きい。
だから、他人と比較して落ち込むより、今の自分の海馬をこれ以上小さくしない、少しでも育てるという方向で考えた方がずっと現実的だと思います。
まとめ
今回のリサーチを整理するとこんな感じになります。
- 記憶力の高さと海馬の体積には相関関係があるが絶対的な保証ではない
- タクシー運転手のように空間情報を繰り返し使う経験が、海馬の発達に関わっている
- チンパンジーの研究では海馬が大きい個体ほど衝動的な傾向が見られたが、人間への当てはめはまだ不確か
- 自尊心と海馬の体積にはわずかながら正の相関が見られる
- 海馬が大きくても忘れっぽい人はいるし、生活習慣が良くても海馬が標準以下のケースもある
- BDNF遺伝子など生まれつきの個人差も海馬のサイズに影響する
- 高齢期に認知機能が低下すると海馬がワーキングメモリーを補う役割を果たす可能性がある
- 運動、睡眠、会話、好奇心の4つは何歳からでも海馬を育てる助けになる
なんか、調べれば調べるほど「海馬って一言で語れない」というのが正直な結論です。
だからこそ、あなた自身の海馬がどんな状態なのか、気になったら一度チェックしてみるのもいいかもしれませんね。


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