この記事では当たり前だけどよくよく考えたら「なんでだろ」「不思議だな」と感じる人体のことを紹介していきます。
調べてみるとしかりとした理由があってそうなってるんだと、納得できることがほとんどなんですよ。
人体に関する当たり前だけど不思議なこと
目を開けたまま自分でくしゃみができない
くしゃみをする瞬間、頬の筋肉が動くと同時に自然と目を閉じる仕組みが備わっているんです。これには深い意味があるんですよ。目を閉じることで頬の筋肉が上に引き上げられて、鼻の穴が広がります。その結果、空気がスムーズに出やすくなるという体の巧みな働きがあるんです。
くしゃみの威力って想像以上にパワフルなんです。なんと時速300km以上という、新幹線並みのスピードで空気が飛び出すんですよ。そう考えると目を閉じて守るのは当然かもしれませんね。自律神経が働いて、自然と目を守ってくれているわけです。
さらに、くしゃみには大切な役割があります。体の中に入ってきたウイルスや細菌、アレルゲンなどの困った物質を、外に追い出すための防御システムとして働いているんです。目を閉じることでくしゃみと一緒に飛び出す雑菌やウイルスから、大切な目を守ることができます。
とはいえ、中には「目を開けたままくしゃみをしてみたい!」と思う好奇心旺盛な方もいらっしゃるかもしれません。でも、これは絶対におすすめできません。
目を無理やり開けたままくしゃみをすると、空気がうまく鼻から出ていかず、目に余計な負担がかかってしまう可能性があるんです。特に目の周りの骨に問題がある方の場合はくしゃみの圧力で目の周りが腫れてしまうこともあるそうです。
人間の小腸を広げると約6メートルにもなる
人間の身体の中で最も長い消化管について知っていますか?それは小腸なんです!驚くべきことに、その全長は約6〜7メートルもあるんですよ。小腸は十二指腸、空腸、回腸という3つの部分で構成されていて、消化管全体の約80%を占める大きな存在なんです。
小腸の内部構造ってとても面白いものなんですよ。表面には無数の絨毛(じゅうもう)という指のような突起があって、さらにその表面には微絨毛という細かい突起まであるんです。
こういった素晴らしい構造のおかげで小腸の表面積はぐんと広がります。小腸の内壁を完全に広げると、テニスコート1面分(約200平方メートル)にもなるんですよ!びっくりですよね。
広大な表面積を持つ小腸は栄養素の消化と吸収において大切な働きをしています。胃で消化された食べ物は膵液や胆汁と一緒になって、さらに小腸から分泌される消化酵素によって、細かく分解されていきます。アミノ酸、ブドウ糖、脂肪酸といった栄養素になるまで小腸はしっかりと働いているんですよ。
イメージしやすく説明すると小腸はゆらゆらとした動きで食べ物を運びながら、栄養を吸収していくんです。この動きを蠕動運動と呼びますがマッサージをしているみたいですね。小腸には体の免疫機能を支える細胞がたくさん存在していて、私たちの健康を守る重要な場所にもなっているんです。
あくびは伝染する
皆さんも経験があると思いますが誰かがあくびをすると、つられてあくびが出てしまうことってありますよね。これは「伝染性のあくび」と呼ばれる現象なんです。
人と人との間で起こるあくびの伝染には深い意味が隠されているんですよ。その根底にあるのが「共感性」という要素です。相手のことを気にかけている気持ちや仲良くなりたいという思いが強いほど、あくびは伝染しやすくなるんです。身近な人ほどあくびが伝染しやすいのも、そのためなんですよ。
個人差についても、とても面白い研究結果が出ています。外向的な性格の人や人の感情を受け取りやすい人は、あくびが伝染しやすい傾向にあります。
几帳面な性格の人や褒められることを求める傾向が強い人は、意外にもあくびが伝染しにくいという結果が出ているんです。
動物の世界でもあくびの伝染は確認されていて、特に犬は素敵な特徴を見せてくれます。なんと、飼い主さんのあくびには敏感に反応するのに知らない人のあくびにはあまり反応しないんです。これって飼い主さんへの深い愛情の表れかもしれませんね。
一方でカメさんはちょっと違います。他のカメがあくびをしても、全く影響を受けないそうです。このことからあくびの伝染は単なる体の反応ではなく、相手への思いやりの気持ちが大きく関係していることがわかります。
人間関係の中で起こるあくびの伝染。実は、たちの心の温かさや思いやりの気持ちを表す、素敵なコミュニケーションの一つかもしれませんね。
足と手の爪の伸びる速さが違う
手の爪は1日あたり約0.1mmのペースでスクスクと伸びていき、1ヶ月で約3mmも成長するんですよ。足の爪はゆっくりペースで、1日約0.05mm、1ヶ月でおよそ1.5mmほどの成長にとどまります。
この成長速度の違いには体の仕組みが深く関わっているんです。最も大きな要因となっているのが血流の差なんですよ。足は心臓からずいぶん離れた場所にあるため、手と比べると血液の巡りが良くありません。
そのため、爪の成長に必要な栄養がなかなか届きにくい状態なんです。それに加えて手の指は毎日たくさんの動作で使われるので頻繁に刺激を受けることで毛細血管が活性化され、新陳代謝が活発になるわけです。
爪が完全に生まれ変わるまでの時間も手と足では随分と差があるんです。手の爪なら4〜6ヶ月で生え変わりますが、足の爪はその倍の時間がかかり、なんと8ヶ月から1年もの期間を要します。
さらに面白いのが爪の成長速度には様々な要素が影響を及ぼすということ。季節による変化も見逃せません。暑い夏場は新陳代謝が活発になるため、寒い冬よりも爪の伸びが早くなるんですよ。年齢による違いも顕著で、20歳くらいがピークとなり、50代を過ぎると徐々にペースダウンしていきます。
性別でも違いが出てくるんです。一般的に男性の方が女性よりも爪の成長が速いとされています。これは男性の方が筋肉量が多く、基礎代謝が高いことが関係しているようです。
指の位置によっても成長スピードには差が出てくるんですよ。手足どちらも中指、人差し指、薬指の爪が一番元気よく伸び、その次が親指、最後が小指という順番になっています。特に足の小指の爪は、靴で圧迫されることも多いため、一番ゆっくりとした成長になりやすいんです。
寝ているときに自分のいびきに気づかない
いびきってなかなか気づきにくい症状なんですよね。ほとんどの方は家族から「昨日もいびきをかいていたよ」なんて言われて初めて、自分がいびきをかいていることに気がつくものです。眠っている間の現象だから、自分では認識しづらいのも当然かもしれませんね。
空気の通り道である気道が何らかの原因で狭くなると、のどや鼻の粘膜が振動していびきの音が発生するんです。小さな音から、時には隣の部屋まで響き渡るような大きな音まで人によって様々なのが特徴です。
稀なケースですが、自分のいびきの音で目が覚めてしまう方もいらっしゃいます。でも、そんなことはめったにないんですよ。最近では便利なスマートフォンアプリも登場していて、寝ている間のいびきを録音できるんです。家族やパートナーに聞くのが恥ずかしい方はそういったアプリを使ってみるのもいいかもしれませんね。
自分の肘は舐められない
人間の体の作りを見てみると、自分の肘を舐めることは物理的にできないんです。これは私たちの体の関節の動く範囲と筋肉の構造による制限があるためなんですよ。
実際に挑戦してみると面白いのですが肘を精一杯曲げて、顎を限界まで伸ばしても、どうしても肘と口が届かないんです。世界中の多くの人がこのチャレンジに挑戦していますが、今のところ成功したという報告は一件もないんですよ。
なぜ肘を舐められないのか、その理由には以下のような要因が関係しているんです。
- 上腕の長さと口の位置関係
- 肘関節の可動域の制限
- 首の可動域の制限
この「自分の肘を舐める」というチャレンジは教育の現場でも素敵な使われ方をしているんです。授業中の気分転換や生徒さんたちの好奇心を引き出すきっかけとして、とても効果的に活用されているんですよ。
実際に挑戦すると肘と顎の距離がほんのわずかに届かない程度で、「あともう少し!」という気持ちになります。この「あと一歩」という感覚が、多くの人の心をくすぐり、何度も挑戦したくなる気持ちにさせるんです。
右利きの人は左足から歩き始める傾向がある
人間の体って思いのほか面白い仕組みを持っているんですよね。多くの人が歩き始める時に左足から一歩を踏み出す傾向があるのをご存知でしょうか?
私たちの体は一見左右対称に見えますが、内臓の配置によって自然と左右差を持っているんです。とくに注目したいのが、体内で一番重い臓器である肝臓の位置です。肝臓は右側にあるため、自然と右半身が重くなり、右肩が下がりやすく、右の骨盤が前に傾きやすい特徴があるんです。
足の特徴にも左右差があります。多くの方の場合、左足は柔らかくてクッションのような役割を果たし、衝撃を吸収しやすい性質を持っています。右足は比較的硬めで地面を蹴り出すのに適した特徴があるんですよ。このバランスがあるからこそ、左足から歩き始めることで右足の力を上手に使えるようになっているんです。
さらに、歩行時の手足の協調運動です。歩くときって、前に出す手と反対側の足が同時に出る、いわゆる交差性の動きをするんですよね。右利きの方は無意識のうちに右手を使う傾向があるので、自然な流れで左足が前に出やすくなるわけです。
こういった体の左右差は生まれつきの特徴なんです。肺の大きさや腎臓の高さなども、左右で微妙に違っているんですよ。こんな風に、私たちの体のいろいろな部分が絶妙なバランスで配置されていて、それが自然な歩行パターンを作り出しているんです。
人間の体毛は部位によって伸びる速度が違う
人間の体毛の成長速度は部位によってかなり違いがあるんです。
頭髪は体毛の中でもダントツの成長力を誇ります。なんと1日で0.3mm~0.5mmも伸びるんですよ。つまり、1ヶ月で約1cm、1年間で約12cmも伸びることになります。
次に速い成長を見せるのが髭(ヒゲ)なんです。1日あたり約0.38mmというスピードで伸びていきます。そのため、朝きれいに剃った髭が夕方には少し目立ち始めてくるのはこのためなんですよ。
脇毛も負けていません。1日あたり約0.3mmという、頭髪に迫る速さで伸びていくんです。だからこそ、処理が必要な方は頻繁にお手入れが欠かせませんよね。
一方で、腕毛やすね毛は少しゆっくりめ。1日あたり0.1mm~0.2mm程度の成長にとどまります。ビキニラインの毛は1日あたり0.2mm程度、眉毛は1日あたり0.16mm~0.18mm程度と、比較的ゆったりとしたペースで伸びていくんです。
こんな風に部位によって成長速度が異なるのには毛細血管の分布密度と深い関係があります。毛細血管がたくさん繋がっている部位では、毛を作るための栄養をより多く取り込むことができるため、成長が早くなるというわけですね。
指紋は一生変わらない
人間の指先に見られる独特の紋様、それが指紋です。みなさんご存知の通りこの小さな模様は胎児期の10-16週という時期に形づくられていくんです。
指紋には「終生不変」と「万人不同」という2つの素晴らしい特徴があり、これが人々の個性を証明する大切な要素となっているんですよ。
「終生不変」というのは生まれてから最期の時を迎えるまで、指紋が変わらないという性質のことなんです。赤ちゃんから大人へと成長していく過程で、指そのものは大きくなっていきますが紋様のパターンは一生涯変化することがないんですよ。
さらに面白いところは、指紋には優れた修復力があって軽い傷や火傷で一時的に形が崩れてしまっても、きちんと元の形に戻ることが分かっているんです。
「万人不同」は地球上のどこを探しても、まったく同じ指紋を持つ人は見つからないという特徴を表しています。とても不思議なことに遺伝子が完全に同じ一卵性双生児でさえ、それぞれ違う指紋を持っているんです。こ
れはお母さんのお腹の中での微妙な環境の違いが、赤ちゃんの指紋形成に影響を与えるためなんですよ。
指紋と同じように舌も人それぞれ異なる
舌は指紋のように、一人一人違う特徴を持っているということが科学的に証明されているんですよ。
舌の表面には「舌乳頭」という数百もの小さな突起があって、そこには味覚を感じ取るセンサーの「味蕾」が備わっているんです。面白いのはこの舌乳頭の形やサイズ、そしてパターンが人によってかなり異なるということなんです。
最新の研究では15人の方の舌を詳しく調べたところ、とても興味深い発見がありました。舌乳頭の配置パターンが、それぞれの人で全く違うということが分かったんです。
研究グループはなんと2000個以上の個々の舌乳頭の3D画像を撮影して、AIを使って分析を行いました。驚くべきことに、たった1つの舌乳頭を見るだけでも、48%という高い確率で誰の舌なのか分かるということが判明したんですよ。
さらに、AIツールは約85%という驚くほど高い精度で舌乳頭の種類を見分けることができ、それぞれの位置を正確に地図のように描き出すことにも成功しています。
これは将来、舌の形状が個人を認証する新しいシステムとして活用できる可能性を示していて、とてもワクワクする発見ですね。
舌の特徴は生まれつきのものなんです。確かに年を重ねることで少しずつ変化はしますがその人固有の基本的な特徴は変わらないんですよ。これは直毛と縮毛の違いと同じように、生まれながらの個性として考えることができます。
参考:https://www.nature.com/articles/s41598-023-46535-9
人間の心臓は一生で約30億回心拍を打つ
人間の心臓は驚くべき働きをする臓器で一生涯にわたって休むことなく働き続けているんです。成人の安静時の心拍数は1分間に60〜70回程度なんですよ。これを基準に計算してみると、なんと1日で約10万回も心臓が動いているんです。
現代の日本人の平均寿命についてお話ししますと、男性で81.6歳、女性で87.7歳となっているんです。1分間の心拍数を平均70回として計算すると、一生涯でなんと約30億回も心臓が拍動することになります。この数字を聞いただけでも、心臓がどれだけすごいパワーを持っているか分かりますよね。
哺乳類の心拍数と寿命にはとても密接な関係があるんです。体の大きさによって心拍数が変わってくるんですよ。一例を挙げると、小さなハツカネズミは1分間に600〜700回も心臓が動いていて、寿命は1.5〜2年。
一方で大きなゾウは1分間にたった20回ほどの心拍で、寿命は50〜70年なんです。生き物の体の大きさと心拍数の関係って、本当に不思議ですよね。
髪の毛は1日に50~100本自然に抜ける
髪の毛って毎日50~100本くらい自然に抜けているんですよ。これは何も心配することではなくて、むしろ健康な頭皮の証なんです。新しい髪の毛が生えてくるためのスペースを作っているようなものですね。
髪の毛には「ヘアサイクル」という素敵な仕組みがあるんです。成長期、退行期、休止期という3つの段階を経て、髪の毛は定期的に生まれ変わっていきます。古い髪が抜け落ちて、新しい髪が顔を出す。自然界の神秘とも言えますね!
シャンプーのときに50~60本くらい抜けるのも普通のことなんです。でも、1日の抜け毛が100本をぐんと超えてしまう場合は、何かしらのサインかもしれません。
面白いのが季節による変化です。夏から秋にかけては髪の毛の抜け方が少し増えて、1日200本くらいになることもあるんです。
これには理由があって、お日様の紫外線による頭皮へのダメージや、暑さで乱れがちな自律神経が関係しているみたいです。それに、動物たちの換毛期の名残が人間にも少し残っているんだとか。なんだか不思議ですよね。
人間の骨は乳児期に約300個あるが、大人になると206個になる
赤ちゃんは生まれた時、なんと約350個もの骨を持っているんですよ。これを聞くと「え?大人より多いの?」と驚く方も多いのではないでしょうか。そうなんです。この数は成長とともに徐々に減っていくんです。
面白いのは胎児期の時期。妊娠後期になると、およそ800か所に「骨化中心」というクラスターができるんです。これが誕生時までにくっついて約300個になり、さらに20年かけてゆっくりと結合していくんです。
10代の頃には約215個の骨があり、大人になる頃には最終的に約206個まで減少します。この結合の時期は人それぞれで、遺伝的な要因はもちろん、普段の生活習慣や運動量、女性の場合は妊娠なども影響するそうです。
人間の骨格は大きく6つのパーツで構成されていて頭蓋、脊柱、胸郭、骨盤、上肢、下肢に分かれています。ちなみに、大人の骨の重さは体重の約8%を占めているんですよ。男性は18歳くらい、女性は15~16歳くらいで骨の融合が完了します。
骨の成長過程で特に目立つ変化が見られるのは頭蓋骨や手首の骨、骨盤などの部分です。赤ちゃんの骨には軟骨成分がたくさん含まれているのですが、成長するにつれて血液の流れによってカルシウムが運ばれ、軟骨が徐々に硬い骨に変わっていくんです。
私たちの体の中で骨は絶えず変化し続けているんですね。成長とともに減っていく骨の数。でも、それは骨が消えてしまうわけではなく、むしろ強くなるために結合しているというわけです。人体の不思議さを感じますね
まばたきは1日に約2万回する
私たち人間は1日でびっくりするほどの回数のまばたきをしているんです!具体的には、大人は1分間に15〜20回、子供は1分間に8〜18回ものまばたきを繰り返しているんですよ。
パチパチと瞬きを繰り返す私たちの目は1時間あたりなんと約1,200回も動いているんです。16時間起きているとして計算すると、1日に約19,200回ものまばたきをしていることになります。
さらに、このまばたきにはとても素晴らしい働きがあるんです。一番わかりやすい役割は目の表面に付いたホコリや異物を取り除いてくれることです。
まばたきをするたびに涙の膜で目の表面をコーティングしてくれるので、目の乾燥を防いでくれるんです。目の健康を守る天然のケア機能といえますね。
まばたきには脳の働きを整える素晴らしい機能もあるんです。なんと、まばたきをするたびに脳の中の「デフォルトモードネットワーク」という神経の回路が活発に動き出すそうです。
一方で、注意を集中させる神経の働きは少し休憩モードに入るんです。つまり、まばたきは私たちの脳をリフレッシュしてくれる、小さな休憩タイムのような役割を果たしているわけです
人間の体の中で唯一自己修復できない部分は歯
歯の自己修復能力について知っていましたか?実は私たちの歯には限定的ながらも自然治癒力が備わっているんです。
歯は主にエナメル質、象牙質、歯髄という3つの層で構成されているのですが、各層によって修復能力が異なります。中でも特に興味深いのが「再石灰化」という自然治癒の仕組みなんです。
再石灰化って聞きなれない言葉かもしれませんが、とてもシンプルな現象なんですよ。普段の食事などで口の中が酸性になると歯の表面からカルシウムやリン酸といったミネラルが流れ出てしまいます(これを脱灰といいます)。
でも、私たちの唾液には、そんな歯を元気にしてくれるミネラルがたっぷり含まれているんです。このミネラルの力で、歯は徐々に元の健康な状態を取り戻すことができるんですよ。
とはいえ、この自己修復力にも限界があることを覚えておく必要があります。虫歯の進行具合でいうと、CO(要観察歯)と呼ばれる初期の段階でのみ自然治癒が期待できます。
歯の表面が少し濁っている程度なら再石灰化によって回復できる可能性が高いですが、一度欠けてしまった部分は残念ながら自然には修復できません。
人間の脳は睡眠中も活発に活動している
人間の睡眠中の脳ってみなさんが想像されているような「ただ休んでいるだけの状態」ではないんです。とても複雑で活発に活動しているんですよ。睡眠には主にレム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態があり、それぞれで違った神経活動が行われているんです。
ノンレム睡眠のときは一見すると脳が「ぐっすり眠っている」ように見えるかもしれません。でも実際には、高次の情報処理を担当する大脳皮質で神経細胞が休むことなく発火し続けているんです。
この時期に見られる特徴的な脳波は「スローウェーブ」と呼ばれていて、大きな振幅と長い波長を持つ波形を見せます。面白いのはこの間に神経細胞の発火が一瞬だけぴったりと同期して止まる様子が観察されることなんです。
一方でレム睡眠中の脳はすごく活発に動いているんですよ。この時期になると大脳皮質の毛細血管に赤血球がどんどん流れ込んで、活発な物質交換が行われます。
これは脳をリフレッシュする機能として欠かせない役割を果たしているんです。十分な物質交換が行われないと、認知症などのリスクが高くなる可能性があるということも分かってきています。
さらに、睡眠中の脳活動の制御は視床下部や脳幹といった特定の場所で行われているんです。視床下部前部には「睡眠ニューロン」という特別な神経細胞があって、これがノンレム睡眠中にとても活発に活動します。
脳幹にはレム睡眠の始まりや維持、眼球運動、筋肉の脱力などをコントロールする神経細胞が存在しているんですよ。
右目と左目では若干色の見え方が異なる
私たちの目の中にはとても精巧な仕組みが備わっているんですよ。その秘密は網膜にある視細胞の分布にあります。網膜には2種類の大切な視細胞が存在していて、一つは明るい場所で活躍して色を見分ける錐状体視細胞(約700万個)、もう一つは暗い場所で働く杆状体視細胞(約1億2000万個)なんです。
こういった視細胞の数や配置が左右の目で微妙に異なっているということ。そのため、私たちは同じものを見ていても、左右の目で明るさや色合いを少し違って感じることがあるんですよ。
網膜の中には3種類の錐体があってそれぞれが違う色を感じ取る役割を担っています。赤色を感じ取る「L錐体」、緑色を感じ取る「M錐体」、青色を感じ取る「S錐体」というわけです。こういった錐体も左右の目で完全に同じように並んでいるわけではありません。
片目で見ているときはとても興味深い現象が起きています。片方の目で見た景色をもう片方の目の見え方と比べるとき、私たちは記憶を頼りに比較をしているんです。つまり、今見ている映像と記憶の中にある映像を照らし合わせているというわけですね。
人間の皮膚は約28日で生まれ変わる
私たちの肌は驚くべき能力を持っているんです。定期的に生まれ変わりを繰り返すことができるんですよ。この素晴らしい仕組みを「ターンオーバー」と呼んでいます。若々しい20代の健康な肌ではこのターンオーバーは約28日間で一周するんです。
最初は表皮の一番下にある基底層から始まります。ここで生まれた新しい細胞(ケラチノサイト)が、ゆっくりと上に向かって進んでいくんです。
約14日かけてじっくりと成長して、その後は角質細胞となって、さらに14日間かけて私たちの肌を守ってくれます。最後には古くなった細胞が垢となって、ふわっと空に舞うように自然に剥がれ落ちていくんですよ。
面白いのが体の場所によって生まれ変わりのスピードが全然違うということ。外の刺激をたくさん受ける顔や手は、とってもはやく生まれ変わります。
額は9日間、頬は10日間くらいで新しい肌に生まれ変わるんです。背中は24日間、おなかは26日間とゆっくりペース。かかとに至ってはどの部分よりも遅いんです。
年齢を重ねるごとにこのターンオーバーの周期も変化していきます。30~40代になると約45日くらいまでゆっくりになって、70~80代になると20代の時の1.5~2倍もの時間がかかることも。このゆっくりペースになることで、シミやそばかすができやすくなってしまうんです。
体の中で最も強い筋肉は舌
舌の重さは約200グラムあり、これは分厚いステーキ1枚分と同じくらいの重さなんです。意外と重いと感じませまんか?
舌は大きく分けて2種類の筋肉群で構成されているんですよ。内舌筋と外舌筋という筋肉群が協力し合って、私たちの日常生活に欠かせない複雑な動きを可能にしています。
内舌筋は舌の形を自在に変えることができる4つの筋肉から成り立っています。上縦舌筋、下縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋という筋肉が舌を思い通りに動かすことを可能にしているんです。
外舌筋は口腔内での舌の動きを担当する筋肉群です。オトガイ舌筋、舌骨舌筋、茎突舌筋、口蓋舌筋などたくさんの筋肉が含まれています。
舌の力の強さには驚くべきものがあります。なんと、歯や顎に対して最大500グラムもの負荷をかけることができるんですよ。
この力強さが私たちの生命維持に不可欠な「食べる」「話す」「呼吸する」という3つの重要な機能をしっかりと支えているのです。
鼻の形は一生かけて少しずつ大きくなり続ける
基本となる鼻の高さや形は、15歳前後でほぼ完成するんですよ。でも、そこから先も私たちの鼻は少しずつ形を変えていくんです。
加齢による鼻の変化は大きく分けて3つの要素があります。それは皮膚、軟骨、骨格なんです。
まず皮膚の変化についてお話しすると、年齢を重ねるにつれてコラーゲン線維やエラスチン線維が減っていきます。すると、お肌の張りが失われていくんですね。さらに、脂腺が増えることで皮膚が厚くなっていきます。
骨格の変化も見逃せません。頭蓋骨全体で骨が吸収されていき、鼻の土台となる梨状孔と呼ばれる部分が広がっていくんです。その結果、鼻が横に広がる傾向が出てくるんですよ。
特に日本人を含むアジア人の方は、齢を重ねると独特の変化が現れます。鼻筋が低くなっていき、小鼻が丸みを帯びて広がっていく特徴があるんです。
人種による違いも興味深いポイントです。西洋人の方は元々鼻が高い特徴があるため、年を取るとワシ鼻のような形になりやすい傾向があります。一方で、アジア人の方は横幅が広がっていく傾向が強いんです。
人間の体の60%は水分
私たち人間の体の水分量は、年齢や性別によって大きく異なるんです。成人の場合、体重の約60%が水分でできているんですよ。一例を挙げると、体重70kgの成人男性の場合、なんと約42リットルもの水分を体の中に持っているんです。
さらに面白いのが性別や年齢による違いなんです。赤ちゃんの体は水分たっぷりで、なんと体重の約80%が水分なんですよ。かわいい赤ちゃんはぷるぷるの水風船みたいですね
一般的な男性は体重の約53%、女性は約45%が水分で構成されているんです。加えて、ご高齢の方は年を重ねるにつれて細胞の数が減っていくため、体の水分量も約50%まで減少していくんですよ。
体の中の水分は、とても賢く配置されているんです。細胞の中に約40%、細胞の外に約20%という具合に分かれています。細胞の外にある水分は組織液が15%、血漿が4%、リンパ液や脳脊髄液が1%という配分になっているんです。
特に脳、腸、腎臓、筋肉、肝臓といった大切な臓器は、水分をたくさん含んでいて約80%もの水分があるんですよ。脂肪の組織は中性脂肪がメインなので、水分は約33%とかなり少なめなんです。
人間の肺の表面積はテニスコート1面分ほどある
私たちの肺の中にはなんと約3億個もの肺胞(はいほう)が存在しているんです。そして、こういった肺胞を全部広げてみると、その総表面積はテニスコート1面分に相当する約70平方メートルにもなるんですよ。
肺胞はとても小さな袋のような形をしていて、その大きさは直径が約0.1〜0.3ミリメートルほど。その壁の厚さに至っては、わずか約1マイクロメートルというスーパー極薄の構造になっているんです。
この驚くべき微細な構造の周りには毛細血管がびっしりと取り巻いていて、広大な表面積を活かして酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)をスムーズに行っているんですよ。
さらに肺胞の表面の90%はI型肺胞上皮細胞という特殊な細胞で覆われているんです。この細胞は血管内皮や基底膜と協力して血液空気関門というものを作り上げ、ガス交換の重要な役割を担っています。
そして、肺胞の表面には常に組織間液による表面張力が働いているのですが、ここで大活躍するのが「サーファクタント」という界面活性物質。この物質のおかげで表面張力が抑えられ、肺胞がぺしゃんこになるのを防いでいるんです。
2本足で歩くことができる
私たち人類の歴史の中で直立二足歩行の獲得は約700万年前にさかのぼる、とても大きな出来事だったんです。この特別な移動の仕方は、人類の進化の道のりでかけがえのない転換点となりました。
人類の祖先は昔は木の上で暮らしていたんですよ。その生活の中で特に股関節がしなやかに動くようになっていったんです。この柔軟性が後の直立二足歩行を可能にする土台となったんですね。樹上から地上での生活へと移り変わっていく中で、この歩き方が定着していったんです。
この進化にはたくさんの素晴らしい利点がありました。一番わかりやすいのは、両手が自由に使えるようになったことです。
おかげで道具を持ち運んだり、食べ物を運んだりすることができるようになりました。さらに、広い草原で遠くの敵を早めに見つけられるという利点もありましたし、ゴリラやサルのように四本足で歩くよりも、疲れにくいという特徴もあったんです。
とても興味深い考え方として「食物供給仮説」があるんですよ。オスがメスや子供たちに食べ物を運ぶために両手が必要になって、そのおかげで直立二足歩行が発達したという説なんです。この社会的な要素は人類が一夫一婦の形を作っていくことにも関係があったと考えられています。
とはいえ、直立二足歩行には良くない面もあるんです。重力の影響で体への負担が増えて、胃下垂やヘルニア、痔といった病気になりやすくなってしまいました。
重たい頭を高い位置で支えなければいけないので、首が細くなって怪我をしやすい体の構造になってしまったんですね。
目が2つ(3つ以上ではだめな理由)
私たち人間の目が2つある理由について、とても興味深い生理学的な意味があるんです。左右の目は約5~6cm離れた位置にあって、それぞれが少しずつ異なる角度から物を見ているんですよ。この2つの目で捉えた視覚情報は、脳に送られて1つの映像としてまとまっていくんです。
視覚の仕組みって本当に素晴らしいですよね。右目で見た外側の部分は右脳へ、内側は左脳へ、そして左目の外側は左脳へ、内側は右脳へと情報が送られていくんです。
脳はこの情報を巧みに処理して私たちが普段当たり前のように感じている立体感や距離感を作り出しているんですよ。
さて、「目が3つあったらもっと便利なんじゃない?」って考える人もいるかもしれませんが、実は進化の過程で2つという数が最も効率が良いことがわかっています。
3つ以上の目を持つことは一見便利そうに思えますが、実はデメリットの方が多いんです。具体的には以下のような問題点があります
- 視覚情報の処理が複雑になりすぎる
- 脳への負担が増大する
- 目の保護や維持に必要なエネルギーが増加する
新しい生命を生むことができる
「生命」って、本当に不思議で素晴らしい存在なんですよね。機械とは全く違う特別な能力を持っているんです。一番の特徴は新陳代謝があって自分の体を修復できること。そして何より驚きなのが、自分と同じような存在を作り出せるという素晴らしい能力を持っているということなんです。
生命の根っこにある秘密、それはRNAという物質なんです。面白いことに、このRNAには二つの素敵な特徴があります。一つは「自己複製」という能力。自分と同じ構造を持つ分子を作れちゃうんです。もう一つは「自己編集」。これは自分の構造を変えられる能力なんですよ。
この二つの能力のおかげでどんどん効率よく増えていける分子が選ばれていって、進化への第一歩が始まったわけです。
今の時代、新しい生命が誕生する主な方法は受精によるものです。精子と卵子という、遺伝子が半分ずつしか入っていない細胞が出会って結合すると、新しい遺伝子の組み合わせが生まれるんです。
これがとても素晴らしいのはお父さんとお母さんの遺伝情報が混ざり合って、今までにない新しい組み合わせができあがること。この仕組みのおかげで、生物がどんどん多様になっていくんです。
悲しいと涙が出る、逆の嬉しいときでも涙がでる場合がある
涙は主に涙腺から出てくるのですが、三叉神経、交感神経、副交感神経という3つの神経によってコントロールされています。
感情の種類によって、涙の性質がガラッと変わります。悲しいときやうれしいときなど、感情が高ぶった時には、副交感神経が活発になって血管が広がり、涙腺がゆるむんです。するとたくさんの水っぽい涙が出てきます。この涙は水分をたっぷり含んでいるので、あまりしょっぱく感じないんですよ。
一方で、怒りや悔しさを感じたときは少し違います。交感神経が優位になって血管が縮み、涙腺も締まり気味になるので、涙の量は少なめ。でもこの涙はナトリウムがたくさん含まれていて、とてもしょっぱいのが特徴なんです。
涙を流すことで、私たちの体の中にあるストレスホルモンを外に出して、心の緊張をほぐしてくれるんです。それだけでなく、涙を流すことは、周りの人に「助けて」というメッセージを送る、言葉を使わないコミュニケーションの手段にもなっているんですよ。
涙が出るメカニズムは脳の前頭前野で感情を感じると始まります。その信号が上唾液核に送られて、自律神経を通じて涙腺を刺激するんです。これは私たちの意思とは関係なく、自動的に起こる反応なんですよ。
加えて、年を重ねるにつれて涙もろくなる人が多いのにはちゃんと理由があります。前頭葉という場所が感情をコントロールしたり、人に共感する能力を担当しているのですが、年齢とともに感情を抑える機能が少し弱くなって、逆に物事への共感力が強くなっていくんです。だから、より涙が出やすくなるというわけなんですよ。
人間だけ服を着て生活する
私たちが日々当たり前のように着ている服には実はとても深い意味があるんです。身体を守る基本的な役割から、その人らしさを表現する手段まで、様々な目的が含まれているんですよ。
人類の歴史を紐解いてみるととても興味深い発見があります。私たちの祖先は二足歩行を始めたことで体毛が減少し、その代わりに外部環境から身を守るために衣服を身につけるようになりました。
昔の人々は寒さや暑さ、強い日差しから身を守るために、動物の毛皮を利用し始めたんですよ。服には体温を28℃から31℃の快適な範囲に保つ素晴らしい力があり、汗や皮脂を吸収して肌をキレーンに保つ働きもあるんです。
さらに服には火傷や怪我、虫に刺されるのを防ぐ力もあることです。植物のトゲや熱いものから私たちの大切な肌を守ってくれて、おかげで色んな場所で活動できるようになりました。
紀元前50万年から10万年頃に人類が服を着始めてから、服の持つ意味はどんどん広がっていったんです。紀元前4000年頃には、もう服は単なる防具じゃなくなっていて、その人の身分や階級を表す大切なアイテムになっていました。
現代に生きる私たちにとって服は自分らしさや所属するグループを表現する手段となっています。職業や社会での立場、育った環境、好みや大切にしている価値観まで着る服を通じて伝えることができるんですよ。
指が5本
およそ3億5000万年前、デボン紀後期から石炭紀初期にかけて、脊椎動物たちは水中から陸上へと生活の場を移していきました。その過程で五指性が形作られていったんです。
初期の四肢動物たちはイクチオステガは7本、アカントステガは8本というように、様々な数の指を持っていましたが、長い進化の道のりを経て5本の指に落ち着いていったんですよ。
分子の世界では指の形成に「ソニックヘッジホッグ(SHH)」というタンパク質が大きな役割を果たしています。このSHHは「KIF3B」というタンパク質によって必要な場所へと運ばれ、両者が協力し合うことで、私たちの指が5本に形作られるんです。
さらに、Hox遺伝子群も指の形成に欠かせない存在で特にHox11とHox13という遺伝子の働き方が、5本指の形成に深く関わっているんですよ。
現在生きている哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類のほとんどが5本の指を持っているのは、みんな同じご先祖様から受け継いだ特徴なんです。
一見すると5本の指を持っていないように見える動物でも実は赤ちゃんの時には5本の指の痕跡があるんですよ。具体的には、馬は大人になると1本の指しか見えませんがお母さんのお腹の中にいる時には5本の指があって、それが後から1本に変化するという、驚きの事実があります。
五指性がこれほど広く定着した理由として、力のバランスや動きやすさの面で、5本指が最も都合が良かったのではないかと考えられています。
とは言っても、これは絶対的な必然性があったわけではなく進化の過程での偶然の産物である可能性も指摘されているんです。
右利きの人が大半で左利きと両利きは珍しい
人類の約95%が右利きで、左利きが約10%、両利きはわずか1%程度なんです。この偏りには人類の進化と脳の発達が深く関わっているんですよ。
人類が言語能力を身につけたのは今から約6万年前だと言われています。この時期には右利きの人の割合が9割に達していたそうです。これは言語能力と利き手がとても密接な関係にあることを表しているんですよ。
人間の脳って左右で得意分野が違うんです。左脳は言語や計算、論理的な考え方が得意で、右脳は直感や空間的な認識が得意なんです。さらに左脳は体の右側の動き、右脳は左側の動きをコントロールしているんですよ。
右利きの人の場合、言語機能は主に左脳にあって、それに合わせて右手の動きも上手くなります。一方で左利きの人は70%が左脳に言語機能があるのですが、15%は右脳に、残りの15%は左右両方に言語機能があるんです。すごく多様性がありますよね。
とても興味深いのが両手を使う時の脳の働き方なんです。左手は右脳、右手は左脳が担当するのですが、両手を同時に使う時には、両方の脳がおしゃべりをするように情報をやり取りするんです。
研究によると、右腕は左腕の動きに大きく影響を与え、左腕は右腕の情報をたくさん取り入れて柔軟に対応する能力が高いことが分かっています。
加えて、胎児期の男性ホルモン(アンドロゲン)が左脳の発達を遅らせることで右脳が発達し、結果として左利きになりやすいという説もあるんです。そのため、左利きには男性が多いという特徴があるんですよ。
生きるために酸素が必要
私たちの体にとって酸素はなくてはならない存在なんです。それはなぜかというと、生きていくために必要なエネルギーを作り出すのに、酸素が欠かせない役割を担っているからなんですよ。
私たちの体の中では毎日の食事で摂取する糖分や脂肪などの栄養素を分解して、エネルギーを生み出しています。この過程で酸素が大活躍するんです!
酸素を使うエネルギー生産(好気性代謝)は、酸素を使わない方法(嫌気性代謝)と比べると、なんと19倍ものパワフルなエネルギーを作り出すことができるんですよ。
このエネルギー生産をスムーズに進めるには体のすみずみまで酸素が行き渡っている必要があります。そのため、私たちは生まれてから亡くなるその時まで、寝ている間でさえも呼吸を続けているんです。
私たちの体は栄養分を肝臓や脂肪組織に蓄えておくことはできますが、酸素はほんのわずかしか蓄えておけないんです。だからこそ、たった5分間呼吸が止まっただけでも命の危険が迫ってしまうんですよ。
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